理由については、必要な箇所のみまとめました。市場では、禁止された接続を許してしまうケーブルも多く販売されています。事故を防ぐためにも、ぜひ目を通して頂ければ幸いです。
◆バランス設計のアンプにアンバランス結線のケーブルを接続し続けると故障の原因となります。
※グランド分離設計のアンプであれば故障の原因にはなりません。(ただし設計者が意図したであろう恩恵はうけられません。)
バランス設計とは?
グランド分離とは?
誤まった接続で、なぜアンプの破損を招くのか?
これらの問題について簡単に解説します。
一般に、アンバランス接続、グランド分離接続、バランス接続の接続例は下記の図の通りになります。
※図中の4極プラグのピンアサインはあくまで一例です。
1.
【3極 GLD(L-R-)共通】アンバランス接続
(一番スタンダードな方式です。)
Lチャンネル、Rチャンネルのcold側がアンプ(プレイヤー)側の共通のGNDに結線されています。
アンプとの接続には図1のような3極プラグを使用します。(電極が3分割されているもの)
[主な特徴]
・GND電流がLRで混ざりクロストークが増えてしまい、音に混濁感が出る。
・バランス接続に比べ歪率が少ない。(同一のアンプを使用しバランス駆動した場合と比べて)
2.
【4極グランド分離接続】疑似バランス接続
例:SONY NW-ZX2、NW-WM1Z/1A(Φ3.5mmジャック)、OPPO HA-2、HA-2SEなど)
Lチャンネル、Rチャンネルのcold側がアンプ(プレイヤー)側でLR独立したGNDに結線されています。
アンプとの接続には図2,3のような4極以上のプラグを使用します。
[主な特徴]
・LRでGNDが独立しているためGND電流がLRで混ざらずクロストークが低減。セパレーションが良くなる。
・バランス接続に比べ歪率が少ない。(同一のアンプを使用しバランス駆動した場合と比べて)
3.
【4極バランス接続】※接続に注意が必要なのはこちら!caution!
例:SONY NW-WM1Z/1A(Φ4.4mmジャック)、AK(Φ2.5mmジャック)など
Lチャンネル、Rチャンネルのhot&coldが全て独立したアンプと接続されています。
アンプとの接続には図2,3のような4極以上のプラグを使用します。
[主な特徴]
・+側と-側でそれぞれ独立したアンプ駆動のため、パワーが4倍稼げる。
・LRで正相と逆相の2つのアンプを、それぞれ別々に接続している為、(LRの)信号が混ざらずクロストークが低減し、セパレーションも良い。
・GNDが浮いているためポータブル環境では不安定になりやすいGNDの影響を受けにくい。
話は戻りまして、バランス接続対応アンプに何故3極プラグを挿してはいけないのか?
4極プラグと3極プラグの違いは、L-とR-がショートしているかいないかの違いになります。
図2のグランド分離の場合、L-とR-がショートしたとしてもLRのGND電流が混ざりクロストークが増すだけで、アンバランス接続と同じ接続状況になるだけです。
ただし、バランス接続においてL-とR-がショートしてしまうとアンプの限界まで負荷がかかり続けることになります。その結果、アンプ回路の破損に繋がることがあります。その状態になったとしても、一聴して気づかずに使い続けてしまう場合もあるため特に注意が必要です。
4極ジャックに間違って3極プラグを挿したからと言って即壊れてしまうことは稀ではありますが、
上記のような高負荷な状態を続けてしまうとアンプ回路に大きな負担をかけてしまいます。
以上の内容をご留意のうえ、正しい結線方法にて弊社バランス変換ケーブルをお楽しみいただければ幸いです。
また、バランス非対応のヘッドフォンにバランスケーブルを挿してお使いの方を稀にお見掛けします。
その場合も、上記のようにショート状態になりアンプ回路に高負荷をかけてしまう状態となります。
例えば、SONY製のMDR-1Rはバランス接続非対応ですがMDR-1Aはバランス接続に対応しているなど外見からは判断がつかないものも多くございます。
音質面で非常に有利なバランス接続やグランド分離接続ですが正しい結線方法で接続をしませんと高価な機材を壊す恐れがございます。
是非、正しい結線方法にてポータブルオーディオライフをお楽しみいただければと存じます。
その他ご不明な点等ございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。
お使いのアンプとヘッドフォン(イヤフォン)をお知らせ頂ければバランス接続(グランド分離接続)ケーブルの制作のご相談なども承ります。